モーグルの滑りを検定でやったら、果たして合格点は出るのか?
なかなか面白い議論だと思う。
まずはコチラをご覧下さい▼
映像の都合上、
これだけしか載せられなかったのですが
右が私の滑りで、一般的な検定での不整地小回りを意識した滑りになります。
コレがどう違っていて、
もしモーグルの左の滑りを検定でやった場合、果たして合格点が出るのか?
ナオキ皆さんこんにちは!
生涯全力スキーヤーナオキです!
この話、なかなか面白いですよね。
モーグル経験者の滑りって、 外から見るとめちゃくちゃ上手く見えます。
『速い、 強い、コブの処理も早い!』
普通に見たら「いや、これは余裕で加点やろ!むしろ何点付くんやろ?」と思ってしまう。
でも、実際の検定では
必ずしもそうはなりません。
先に結論から言うと、
モーグル滑りかどうかは、
合否に直接関係ない
これが僕が経験上、 出した結論です。
おそらく、期待されている答えとは少し違うかもしれません。
「モーグル滑りは検定ではダメです」 とも言い切れない。実際に合格点を出している人もいる。
逆に、
「モーグル経験者なら不整地は余裕で合格です」 とも言えない。
これは前回に公開した私のクラウン検定でも、超上手い(そう見えた)モーグル経験者の方も何人かいたのですが、軒並み79点(不合格)でした。
つまり、大事なのはそこじゃないんです。
検定で見られているのは、 その滑りがモーグルっぽいかどうかではなく、
検定で求められている要素を、
その滑りの中で表現できているかどうか。
ということでした。
ということで、次からもう少し詳しくお話します。
速くて上手く見えるのに、79点だったモーグル選手の実例


実際に、こんなケースがありました。
モーグル経験者の方がクラウンを受験したときの話です。
事前講習で、同じグループでモーグル経験者の方(おそらく中学生くらい)がいたのですが...その方は講師からこんなニュアンスのアドバイスを受けていました。
基礎スキーの検定として見ると、少し直線的すぎて見える。もう少し左右への移動を見せた方が良い
もちろん、 その方は普通にめちゃくちゃ上手い。
僕もその場で見ていましたが、
基礎スキーを学んできた人間からすると、段違いに速いし、コブの中での処理能力も高い。
正直、「これは本番で普通に加点が出るやろ」と思っていました。
ところが翌日の検定本番。
その方の不整地の滑りを下から見ていても、やっぱり上手い。速い。 ミスも大きくは見えない。 スピードが落ちる気配もない。



これ、何点(加点が)出るんやろ...
そう思いながら合格発表を見に行くと、不整地の点数は...
なんと...79点
つまり、不合格だったんです。
この結果だけを見ると、「やっぱりモーグル滑りは検定では評価されないんだ」と言いたくなるかもしれません。
でも、それも少し違います。
なぜなら、モーグル経験者のような滑り方をしながら81点、82点を出している人もいますし、技術選のような場面で、 モーグル経験者が高得点を出すこともあります。
つまり、問題は「モーグル滑りかどうか」ではない。
本当の論点は、
その滑りの中に、
検定員が評価できる"ターン"が見えているかどうか。
ここなんです。
スキー検定の不整地小回りは速さだけでは合格点にならない


昔の僕も勘違いしていました。



モーグルみたいにコブを速く滑れたら、それだけで超加点になるんじゃないか。
そんなふうに思っていました。
でも、実際にはそうなりません。
もちろん、速さは武器です。 スピード感がある滑りは、評価においてプラスに働くこともあります。
ただし、それはあくまで、
"評価される滑りの要素" が入っている上での話です。
テールを振り出したり、コブに当てたりしながら、直線的に処理して降りてくるだけの滑りでは、どれだけ速くても合格点にはつながりにくい。
なぜか?
検定は、速さを競う競技ではないからです。
不整地小回りであっても、 見られているのは「ただコブを通過できるか」ではありません。
コブの中でも、
- トップが動いているか
- 重心が左右に移動しているか
- スキーがターン弧を描いているか
- スピードをコントロールできているか
- 滑りとして破綻していないか
こういう部分が見られています。
なので、モーグルほど速くなくても、きちんとトップと重心が左右に動き、コブの中でターン弧を描けている滑りには合格点が出る。その上で速ければ、さらにプラスになる。
順番としては、これが正しい。
速いから評価されるのではなく、
評価される滑りができた上で速いから加点される
ここを逆にしてしまうと、先ほど挙げたモーグル選手の例のように、実際の検定では減点されてしまうこともあるということです。
モーグル選手が「できる」のに「点が出ない」理由


今回の話は、モーグル経験者だけに限った話ではなく、検定を目指している多くのスキーヤーに当てはまります。
そもそも検定では、全力で滑るだけでは足りないこともよくあります。
私が実際に不合格になった時も、
今思い返せば、十分に合格点を出せる技術があることは別の種目で証明できていた...
にも関わらず、
その日の雪の状態や戦略を一つ誤ると、たちまち不合格とみなされることだって普通にあった。
もちろん、全力を出すことは大前提です。
- 本番でビビってしまう
- 守りに入ってしまう
- 普段より守って滑ってしまう
これでは点は出ません。
でも逆に、 ただ全力で滑ればいいわけでもないんです。
技術があるのに点が出ない、上手く見えるのに合格できない...こういうケースは意外とあります。
要するに、
できるのに、検定で求められている形として表現できていない
ということです。
これは、めちゃくちゃもったいない。
実力が足りないなら練習するしかないけど...
実力があるのに点が出ない場合は、単純に滑り込むだけでは解決しないことがあります。
なぜなら足りていないのは、技術そのものではなく、
「検定に関する正しい理解」
だからです。
スキー検定の合格には「演技力」も必要


検定で合格点を出すためには、まず"知る"必要があります。
- 何が求められているのか。
- 何ができれば合格なのか。
- どんな滑りが評価され、どんな滑りが減点されるのか。
ここを知らないまま全力で滑っても、
点数につながらないことがあります。
これはスポーツとしての実力とは、少し別の話です。
検定には検定のルールがあり
検定には検定の見られ方がある
そこに合わせて、自分の技術を表現する必要がある。
少し言い方を変えると...
検定には「演技力」が必要です。
ここで言う演技力とは、うまく見せるために嘘をつくことでも、みせかけだけのスキルを付けることでもありません。
自分が持っている技術を
検定員が評価できる形で出す力です
モーグル経験者であれば、
コブを速く処理する力はすでにあるかもしれません。
でも、基礎スキーの検定で点を出すなら、その速さの中にターン弧や重心移動を見せる必要があります。
1級やテクニカルを目指す人であれば、ただ頑張って滑るだけではなく、種目ごとに求められている要素を理解して滑る必要があります。
ここを外すと、



あんなに頑張ったのに、なぜ点が出ないんだ
という悔しい結果になります。
でも厳しいことを言うと、
検定では「頑張った」は評価対象ではなく、見える滑りが全てです。
だからこそ、何を見せるべきかを知る。
↓
そして、それを本番で出せるように練習する。
これが必要なんです。
モーグル・基礎スキーに関わらずコブでありがちなNGパターン


では、具体的にどんな滑りが点につながりにくいのか。
一つ分かりやすいNGパターンがあります。
それが、
焦って先にスキーを振ってしまう滑り
コブに入ると怖いですよね。
- スピードが出る
- 次のコブが迫ってくる
- 落とされそうになる
そうすると、
どうしても早くスキーを横に向けたくなります。
早く向きを変えて早く減速したくなる。
その結果、トップからターンに入る前に、スキーを捻ってテールを振り出してしまう。


整地の小回りで言うところの、
いわゆるワイパーターンのような動きです。
ある程度のレベルまでは、この動きが少し出ても評価されることはあります。
コブを降りられない段階から考えれば、まずは止まらずに滑れるだけでも大きな進歩です。
でも、レベルが上がれば上がるほど、それだけでは足りません。
1級、テクニカル、クラウンと上を目指すほど、
「トップからターンに入る」
という整地小回りでも必要な動きが、コブの中でも求められます。


縦のラインでも、バンクラインでも同じです。
コブの中で綺麗なターン弧を作るためには、焦ってスキーを振るのではなく、トップが壁に当たるところまで我慢してついていく必要があります。
- NG:焦って先にスキーを振る
- 理想:トップが壁に当たるまで我慢して、そこからターンに入る
これができると、コブの中でもスキーが丸い軌道を描きやすくなります。
逆にこれができないと、
滑りはどんどん直線的になり速く見えることもありますが、検定ではそこが逆にターン弧が描けていないので評価されない原因になることもあります。
コブでは速い人ほど「我慢」が必要になる


面白いのは、技術がある人ほどこの落とし穴にハマる可能性があることです。
コブの処理能力が高い人は、
多少強引にスキーを動かしても降りられてしまいます。
身体能力がある人
スキー操作が上手い人
モーグル経験がある人
こういう人は、普通の人なら破綻する滑りでも、力でまとめられることがあります。
だから外から見ると、めちゃくちゃ速いし上手くも見える。
でも検定では、「速く降りられたか」だけではなく、「ターンとして成立していたか」を見られます。
自分では上手く滑れた感覚がある。
見ている人からも「速かったですね」と言われる。
『でも点数を見ると、思ったより出ていない。』
こういうことが起こる。
だから、速い人ほど我慢が必要です。
- すぐにスキーを振らない
- トップが雪面やコブの壁にコンタクトするところまで待つ
- そこから重心を移動させて、スキーがターンしている状態を作る
この「コブで待てる力」が、上級者ほど大事になります。
本当のトップ選手は基礎も外していない


これはあくまで私の考察ですが、モーグルやアルペンレースのトップ選手を見ても、
実は基礎スキーで見られるような要素も自然に入っているんじゃないかと思っています。
もちろん、どこまで意識されているかは分かりません。
というか、
トップ選手の世界は異次元すぎて、こちらが簡単に語れるものではありません。笑
ただ、「速さがすべて」と思われる競技であっても、 本当のトップは速いだけではないはずです。
ポジションが良い
スキーの動きが自然
無駄が少ない
ターンのつながりがある
↓
結果として速い。
そういう順番なんじゃないかと思います。
これは検定でも同じです。
ただ勢いで降りてくる滑りではなく、ターンとして成立しているから評価される。
その上でスピードがあるから、さらに強い。
やっぱり順番を間違えてはいけません。
検定で点を出したいなら、まず「何を見せるか」を決める


不整地で点を出したいなら、
まず考えるべきことは「どうやって速く滑るか」ではありません。
もちろん速く滑れるに越したことはないです。
でもその前に、
検定員に何を見せるのか
を決める必要があります。
例えば不整地なら、
- 直線的に落ちるのではなく、ターン弧を見せる
- トップからターンに入る
- 重心が左右に動いていることを見せる
- スピードを制御していることを見せる
- 破綻せず、最後まで流れをつなぐ
こういう要素です。
目指すレベルでこうした要素の何が求められているのか?
これを理解した上で、 自分の持っている技術を使う。
- モーグル的な速さがあるなら
それを検定の評価基準に合わせて表現する。 - バンクラインが得意なら
よりターン弧が見えるように滑る。 - 縦のラインで攻めるなら
テールを振るだけに見えないようにトップの動きと重心移動を出す。
あくまで一例ですが
これが、検定で求められることを自分ができることを意識して組み合わせた、必要な戦い方です。
【まとめ】モーグルの滑りはスキー検定で合格点が出るのか?
モーグル滑りを検定でやると、合格点は出るのか?
この問いに対する答えは、シンプル。
合否を分けるのは、
その滑りが、検定で評価される形になっているかどうか。
どれだけ速くても、ターン弧が見えず、テールを振って直線的に降りているだけなら点は出にくい。
逆に、モーグルほど速くなくても、トップと重心が左右に動き、コブの中でターンとして成立していれば合格点は出る。
その上で速ければ、さらに評価される。
だから検定を目指すなら、全力で滑るだけでは足りません。
- 何が求められているのか
- 何を見せれば合格なのか
- どんな動きが減点につながるのか
ここを正しく知ること。
そして、その基準に合わせて自分の技術を表現すること。
これがめちゃくちゃ大事です。
技術があるのに点が出ないのは、本当にもったいない。
でも逆に言えば、見せ方を変えるだけで非常に高い点につながる可能性もあるということです。
検定は、ただ上手い人を選ぶ場ではありません。
その種目で求められている滑りを、本番で表現できた人が評価される場です。
だからこそ、 練習ではただ滑り込むだけでなく、
「今の滑りは、検定員にどう見えているのか?」
ここまで考えてみてください。
コブの中でも焦らない。
先にスキーを振らない。
トップが壁に当たるまで我慢する。
そして、コブの中でもターン弧を作る。
ここを意識するだけで、 不整地の滑りはかなり変わるはずです。
速さは武器です。
でも、速さだけでは点にならない。
評価される滑りを作った上で、その速さを乗せる。
検定で本気で合格点を狙うなら、この順番を絶対に間違えないでください。
不整地種目が苦手な
検定合格を目指す基礎スキーヤーへ
- 検定の不整地小回りを攻略したい
- コブが怖くて苦手意識がある
- なぜか完走したのに合格点が出ない
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